「接心」は、自分と向き合う修行です。ありのままの自分を知り、自分を磨くヒントをつかんでいきます。その気づきを日常に生かすことが、真如苑の教えを歩む基本です。
このことは、古くから仏教のなかで大切なカギとされてきました。
真言宗の開祖・空海が、『大日経』というお経典を引いて、 悟りに向けては自らのありのままの心をみつめる「如実知自心」が大切であると説いたところとも重なるでしょう。
真如苑を開いた開祖・伊藤真乗は、真言宗の醍醐寺にて修行し、仏教の伝統の法――"法流"を修めて 真如苑を開きました。20世紀に始まった教団のなかではめずらしいかもしれません。
そのため、日常の祈りと同時に、何千年ものあいだ受け継がれてきた伝統の儀礼を大切に、修法を重ねています。
大乗仏教で読まれる大般涅槃経では、お釈迦様は在家信者の実践的な信仰を讃えています。その大般涅槃経をもとに、出家をしなくても日々の実践を通して信心を身につけ、前向きな境涯への道を説くのが、真如苑の特徴のひとつです。
大般涅槃経は、お釈迦様が悟りを完成されて、人間としての生涯を閉じるところを描く経典です。たくさんの宗祖が大切に取り上げてきましたが、学理的に読まれることが多く、教団の中心の経典とされることは、歴史的にはほとんどありませんでした。
開祖・真乗は、この経典を教えの中心におき、最後の説法を説くお釈迦様の姿を謹刻して真如苑の本尊としました。